キュービクルの音がうるさいんだけど大丈夫?
「最近、キュービクルの音がうるさく感じる…」「この“ブーン”って異常?」そんな疑問を持つ方もいるはず。
キュービクルは高圧電気を扱う設備であるため、運転中に特有の音が出ることは珍しくありません。本記事では、正常な音と異常な音の違い、騒音発生の原因、対処法について解説します。
どんな音がする?
キュービクルの中にあるトランス(変圧器)は、通電時に「ブーン」という低周波音を発します。
- 音の正体:鉄心が磁化・消磁を繰り返すことによる“磁歪(じわい)現象”
- 室内設置型や壁際設置では音が響きやすい
→つまり「ブーン」は正常な音で、無音の方が異常です。
異常音のサインは?
次のような音が出ていたら要注意です。
- ガタガタ・ジジジジ… → 端子の緩み、接触不良
- キーン… → 高周波ノイズ、電子部品の故障
- 突然音が大きくなった… → トランスの劣化・破損の可能性
- 一定でない不規則な音… → 放熱ファンの異常、異物混入
→「以前より音が変わった」「振動が強くなった」と感じたら、点検をおすすめします。
騒音として近隣トラブルになることは?
通常の運転音が外部まで響くことは少ないですが、次のような条件では注意が必要です。
- 屋外設置で住宅密集地に隣接
- 壁や床に伝わって“共振”を起こすケース
- 設置が老朽化して防振ゴムが劣化している
→夜間や休日にクレームになりやすいため、防音対策や位置変更も検討した方がよい場合もあります。
防音・振動対策のポイント
- 防音パネルの設置(遮音+吸音)
- キュービクル下部に防振ゴムやアイソレーターの装着
- 配電盤や基礎部分の締め直し
- 音が反響しないよう周囲の構造を工夫
音を放置するとどうなる?
放っておくと、次のようなトラブルに発展することがあります。
- トランスの絶縁劣化 → 火災・破裂事故に
- 振動による端子緩み → 接触不良・発熱・ショート
- ファン異常 → 熱こもりによる装置全体の寿命低下
点検のときにできる音対策
- 年次点検でトランスや遮断器のネジ・固定部を締め直す
- 放熱ファンのグリスアップや清掃
- 音・振動に関するヒアリングを毎回行う
- 音の測定記録(dB値)を残すことで変化を見逃さない
オーナーが注意すべきポイント
- 設置当初より音が大きくなっていないか
- 従業員や近隣から苦情が出ていないか
- 外装に手を触れた際に異常な振動を感じないか
→ひとつでも気になることがあれば、点検を依頼することをおすすめします。
まとめ
キュービクルの音は、多くの場合が“正常な動作音”ですが、音の変化=劣化や異常のサインでもあります。
「いつもと違う」と感じたら、それは大事な警告かもしれません。放置すれば事故や火災にもつながるため、音と振動の“違和感”を見逃さない感覚が、最もシンプルな安全対策となります。
音が気になる方は、防音・防振対策や機器更新も視野に入れ、安心して使えるキュービクル環境を整えましょう。
キュービクルの設置に迷ったらまずは当社にお問い合わせください!