第40回 電気にまつわるエトセトラ「電気業界ニュース9」

キュービクル回避の担当、丸山です。(国家資格:第二種電気工事士)
こちらでは、「電気」に関係するお役立ち情報を伝えていきたいと思います!

今回は、「ペロブスカイト太陽電池」に注目したいと思います。
日本の再生可能エネルギーの切り札として注目されていますね。

ペロブスカイト太陽電池

2050年カーボンニュートラルの達成に向けて、再生可能エネルギーの拡大は必要不可欠です。
しかし、日本は平地面積に限りがあり、太陽光発電の設備には不利と言えます。
そこで政府が開発に力を入れているのが、「ペロブスカイト太陽電池」です。
ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト構造を持つ材料で製造された太陽電池です。軽量で柔軟性がある点が特徴で、シリコン系太陽電池が設置困難な場所にも設置することが可能です。

①低コスト
製造工程が少なく、大量生産ができるため低コストでの製造が見込めます。
②軽くて柔軟
従来の太陽電池が重く厚みがあり設置場所が限られていますが、ペロブスカイト太陽電池は小さな結晶の集合体が膜になっているので折り曲げたりでき柔軟で、軽量化が可能です。
③材料はヨウ素
ペロブスカイト太陽電池の主な原料はヨウ素です。
ヨウ素は日本の生産量が高く、世界シェアの約3割と言われています。
そのため、他国に頼らずに確保することができます。

上記の利点に加え、日本の技術は世界最高水準です。

従来の太陽電池の課題は?

まず、従来の太陽電池は面積の課題があります。
建物の屋根に設置されたり、広い土地に黒いパネルが設置されているのを見たことがあると思います。
その多くは「シリコン系の太陽電池」で、重量があります。
かつ、もう既に「平地の適地」には設置が進んでおり、面積あたりの導入量は主要国で1位になっています。
これ以上の設置は難しいのではないでしょうか。

ペロブスカイト太陽電池の課題は?

寿命と耐久性、大きい面積が難しいという点でしょうか。
また、変換効率の向上も課題の1つだと言われています。ですが近年では、変換効率は向上しシリコン系太陽電池に対抗し得るとして期待されています。

早期開発が求められる「ペロブスカイト太陽電池」

低コスト化も可能で主原料が日本国内でとれるという特徴から、ペロブスカイト太陽電池は政府も後押ししている技術です。そのための予算を設けるといった後押しもしています。
夏の一般家庭で見られる「日よけシェード」のような、フィルム型電池もあります。
これは海外でも開発は進んでいます。特に中国やヨーロッパで量産化の動きがあります。

今後ペロブスカイト太陽電池がさらに向上し、市場に拡大すれば、環境の面でもよいですね。


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