最大需要電力とは?高圧契約の基本料金を左右する仕組みは?
最大需要電力とは?
前回の記事でも記載しましたが、最大需要電力とは、30分ごとの使用電力(kW)を1か月間計測した中で、最も高かった数値のことを指します。これを毎月記録し、そのうちの年間最大値が、翌1年間の基本料金を決定する基準になります。
たとえば、ある月にエアコン・製造設備・冷蔵庫など多くの機器を同時に稼働させてしまい、30分間だけピークを記録してしまった場合、その数値がそのまま「最大需要電力」として翌月以降の基本料金に反映されます。
なぜ最大需要電力を基準にするの?

電力会社は、契約先が「いつ」「どれくらいの電力を同時に使う可能性があるか」をもとに供給設備(変電所・配線・変圧器など)を整備しています。
したがって、「同時に大量の電力を使う可能性」がある利用者には、設備維持のための基本料金を高く設定する必要があるのです。
これが最大需要電力を重視する理由です。
30分だけでも基本料金が高くなる?
たった30分でも基本料金が上がってしまう可能性があります。これを「デマンド値」とも呼び、夏場や繁忙期に設備を一気に稼働させてしまうと、思わぬ「デマンドオーバー」を引き起こすことがあります。
丸山実際ある月の30分間に45kWを記録した場合、以後1年間は「基本料金単価 × 45kW」で毎月請求されることになります。
最大需要電力を下げる方法は?
ポイントは「電力の平準化」です。
同時使用を避け、設備の稼働時間を分散させることでピーク電力を抑えられます。
また「デマンド監視装置」を導入し、使用電力をリアルタイムで可視化する方法も有効です。
たとえば製パン製菓工場や店舗の場合、焼成機・空調・冷凍庫などの動作タイミングを調整するだけでも、最大需要電力を抑えられる可能性があります。


キュービクルとの関係は?
前の記事で詳しく触れていますが、最大需要電力が高くなると、それに応じた容量のキュービクルが必要になります。逆にピーク電力を抑えられれば、小型の設備で済む可能性もあり、初期投資や設置スペースの削減につながることもあります。



デマンドコントロール機能が付いた高機能キュービクルも存在しており、電力使用の最適化に貢献します。
それについてはまた次回に詳しく解説します!
まとめ
知らないと損をする「最大需要電力」の仕組みです。
ぜひ電力使用の見直しや設備選定の参考にしてください。
- 最大需要電力は「30分単位での最大使用量」で決まる
- 年1回のピーク値がその後の基本料金に影響する
- 使用タイミングの調整や監視装置の活用で対策が可能
- キュービクルの容量や選定にも関わる重要な指標
キュービクルの設置に迷ったらまずは当社にお問い合わせください!
【この記事の監修】
株式会社エネシフト(キュービクル回避ネット運営会社)
丸山 賢司 電気容量コンサルタント/国家資格:第二種電気工事士
約20年建築関連や電気関連の職務に従事。
製パン・製菓業界を中心にキュービクル回避を始め電気容量コンサルタントして数多くの店舗、会社を支援。
現在は業界外の電気容量対策支援とキュービクル回避の普及を行っている。
「自分の仕事で誰かを幸せにする」をモットーに日々の職務に励んでいる。



