デマンドコントロール機能付きキュービクルとは?

前回の記事で「デマンドコントロール機能が付いた高機能キュービクルも存在しており、電力使用の最適化に貢献します。」とお伝えしました。
今回はそのデマンドコントール機能付きのキュービクルについて解説します。

デマンドとは何か?

まず「デマンド」とは、高圧電力契約において重要な「最大需要電力」のことを指します。
これは、30分ごとの平均使用電力のうち、月内で最も高かった数値です。この“ピーク値”が、次の1年間の基本料金に反映されてしまうため、無駄な電力ピークを防ぐことは非常に重要です。

デマンドコントロールとは?

デマンドコントロールは、文字通り「デマンド(需要電力)をコントロールする」技術です。主な目的は、設備の稼働状況や電力使用状況をリアルタイムで監視・制御し、ピーク電力を抑えることにあります。
特定の時間帯に空調・加熱・冷却機器などを同時に稼働させないように制御し、30分平均電力のピークを下げるようにします。

キュービクルに組み込まれた「進化系」デマンド監視

従来デマンド監視装置は別設置でしたが、最新のキュービクルには、この監視・制御機能が標準搭載されているモデルも登場しています。これが「デマンドコントロール機能付きキュービクル」です。

主な構成要素

  • スマートメーター(高精度の電流・電圧計測)
  • コントローラー(上限予測値に基づく制御信号の発信)
  • 表示ユニット(アラートやグラフ表示など)
  • 出力リレー(機器停止や調整の制御信号を外部へ)
丸山

デマンド制御によって、以下のような効果が期待できます。
① 基本料金の大幅削減
② 機器の無駄な同時稼働を抑制
③ 警報通知による予防保全

どんな施設におすすめ?

1.オーブン・ミキサー・空調などを多用するパン工場・製菓工場
2.電力使用量の変動が大きい冷凍倉庫や物流施設
3.空調・照明の同時使用が多い商業施設や飲食店
4.一時的に使用電力が跳ね上がるイベントホールや研修施設

キュービクル

導入の注意点

  • 初期費用はやや高め(ただし、基本料金削減により数年で回収可能)
  • 全ての電力を制御できるわけではない(冷凍機など止められない機器もあるため、負荷選定が重要)
  • アラームだけの「見える化型」か、「制御型」かで導入コストと制御範囲が変わる
丸山

電力のピークを抑えることは、電力会社側の供給負担も減らし、全体として発電設備の最適化・環境負荷の低減に貢献します。企業の環境対応が求められる今、デマンドコントロール機能付きキュービクルは、「節約」だけでなく「社会的責任」の観点からも注目されています。

まとめ

  • デマンドコントロール機能は、ピーク電力を抑えて基本料金を削減できる
  • 最近は、キュービクルにこの機能が組み込まれたタイプも増えている
  • 初期コストはかかるが、長期的には十分な投資対効果あり
  • 電力管理と脱炭素経営を両立させたい企業に最適

キュービクルの設置に迷ったらまずは当社にお問い合わせください!

【この記事の監修】
株式会社エネシフト(キュービクル回避ネット運営会社)
丸山 賢司 電気容量コンサルタント/国家資格:第二種電気工事士
約20年建築関連や電気関連の職務に従事。
製パン・製菓業界を中心にキュービクル回避を始め電気容量コンサルタントして数多くの店舗、会社を支援。
現在は業界外の電気容量対策支援とキュービクル回避の普及を行っている。

「自分の仕事で誰かを幸せにする」をモットーに日々の職務に励んでいる。

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