キュービクルの中身ってどこまで目視点検できるの?

キュービクルの異常の早期発見に、まずは「目で見る」が基本です。キュービクルの安全管理の始めの一歩にもなり得ます。

見える範囲=守れる範囲。目視点検の重要性は?

キュービクル(高圧受電設備)は、基本的に密閉された金属製のボックス内に高圧機器が収められており、普段は外から中身が見えるわけではありません。しかし、点検時に扉を開ければ、一定の範囲で中の機器の状態を目視で確認できます。定期点検のプロセスでも最初に行われるのがこの「目視点検」です。
電気主任技術者や保守業者による点検では、この視認によるチェックで、漏電・変色・異臭・破損・結露・ゴミや虫の侵入など、トラブルの兆候を発見することもあります。

目視で確認できる主なポイントは?

以下のような設備や兆候は、目視での確認が可能です。

  • 高圧遮断器(VCB)や開閉器(LBS)などの外観 → 変色、破損、変形などがないか
  • 計器用変圧器(VT)や電流変成器(CT)の端子部 → 端子の緩み、腐食、変色などはないか
  • ケーブルの被覆・接続部 → 亀裂、焼損、断線などの有無
  • 避雷器(SPD)のインジケーター → 過去の雷サージによる作動状態の確認
  • 絶縁物の劣化やヒビ → ブッシングや碍子などの劣化チェック
  • 庫内の湿気・結露や錆の発生 → 雨水侵入・気密不良のサイン
  • 害虫や小動物の侵入跡 → 配線被害の未然防止

ただし、高圧部に近づくことは感電リスクがあるため、扉の開閉や点検には専門の資格(電気主任技術者または特別高圧の特別教育受講者)が必要です。

目視だけで分からないものもある

当然ながら、以下のようなトラブルは目視だけでは検知できません。

  • 内部の接点劣化(遮断器の接点摩耗など)
  • 絶縁抵抗の低下(高圧ケーブルの絶縁劣化など)
  • 異常電流や漏電など、電気的な変化
  • 異常発熱(ただし放熱部の変色は目視で確認可能)

これらは絶縁抵抗測定熱画像診断部分放電診断など、計測機器による点検が必要です。

まとめ

まずは「見る」、けれど「見るだけ」では足りない

キュービクルの目視点検は、日常的な安全管理の要とも言える作業です。
とはいえ、すべての異常が目で見えるわけではないため、法定点検や年次点検など、より詳細なメンテナンスとセットで運用することが重要です。点検記録を残すことで、劣化の傾向も可視化できます。

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