防犯面でキュービクルに鍵は必須?

キュービクルは高圧受電設備として、店舗や工場、施設などの敷地内に屋外設置されることが多く、日常的に人の目が届かない場所にあるケースも少なくありません。そのため、防犯対策が不十分だと、第三者による不正侵入・イタズラ・盗難といったリスクが発生します。
特に、キュービクル内には銅製の高圧ケーブルや機器があり、これを金属目的で盗まれる事件も報告されています。また、不正操作や破壊によって停電や火災につながる危険性もゼロではありません。

感電リスクからの保護が第一目的

キュービクルは高電圧を扱う重要設備です。内部には高圧機器や遮断器、変圧器などが設置されており、一般の人が誤って触れれば感電事故につながる恐れがあります。そのため、扉を施錠し、関係者以外が簡単に触れられないようにするのは基本中の基本。防犯というよりも、安全確保の観点から「鍵は必須」といえます。

鍵の有無がもたらす“抑止力”

一般的にキュービクルには扉に鍵が付いており、常時施錠しておくことが推奨されています。これにより以下のようなメリットが得られます。

  • 第三者の侵入防止
  • 危険エリアへの接触防止(感電リスク)
  • 設備破損・盗難の抑止
  • 施工・点検時の安全確保(無断で開けられない)

鍵の種類も、通常のシリンダー錠から、南京錠型・テンキーロック・スマートロックなどさまざま。立地や使用者の運用体制に応じて選ばれています。

施錠義務はある?

高圧受電設備の安全管理を定めた「電気設備技術基準」では、キュービクルは原則、施錠できる構造である必要があります。
管理者(主任技術者)も定期的な点検時に「施錠されているか」を確認するのが通例で、万一施錠されていなければ、是正指導の対象になります。つまり法令的にも施錠は「前提」です。

鍵だけでなく「表示」も重要

鍵をかけるだけでなく、「高圧危険」「関係者以外立入禁止」といった注意喚起の表示も必要です。
これにより第三者への注意を促し、万一のトラブルを未然に防ぐことができます。
施設によっては、扉にセキュリティセンサーや監視カメラを併設するケースもあります。

鍵だけでは不十分なケースも

防犯レベルをさらに高めたい場合は、以下のような対策の追加も検討されます。

  • 監視カメラの設置
  • センサーによる開閉監視
  • 柵・囲いによる物理的な侵入防止
  • 施設内設置(屋外からアクセスできない位置)

特に人目につきにくい場所では、複数の対策を組み合わせた「多重防御」が重要です。

まとめ

キュービクルは高電圧を扱う重要設備であると同時に、無人・屋外で設置されやすいため、防犯上のリスクも抱えています。
鍵は法律上の義務ではないものの、設備保護と安全確保の観点から、実質的には必須といえるでしょう。
設置環境に応じて、防犯レベルの見直しも定期的に行うことが望まれます。

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