キュービクルの搬入・搬出ってどうやってやるの?

キュービクルは高圧電気を受けるための重要な設備でありながら、設置には特別な作業が必要です。特に設置前の「搬入」と、入替や撤去時の「搬出」は、電気工事の中でも比較的「大型で特殊な作業」に分類されます。
今回は、「キュービクルの搬入・搬出ってどんな風にやるの?」という疑問にお答えし、作業の流れや注意点までわかりやすく解説していきます。

キュービクルの大きさと重量

まず前提として知っておきたいのが、キュービクルのサイズと重量です。

  • 大きさ:おおよそ1.5m×2m×2.2mほど(機種や仕様による)
  • 重量:500kg〜2トン程度になることも

このようにキュービクルは非常に重く大型なため、人力では対応できないのが基本です。よって搬入・搬出には専門の運搬車両やクレーンが必要になります。

搬入作業の流れ

1. 事前調査(現場確認)

搬入作業の第一歩は、実は「現場の確認」です。トラックの進入経路、設置場所の広さ、地面の強度、周囲の建物・電線などの障害物を確認し、どんな機材や人員が必要かを見極めます。

2. 運搬車両の手配

ユニック車(クレーン付きトラック)やラフタークレーンなど、設置場所に応じた機材を選定。特に狭小地では「搬入できるかどうか」が大きなポイントになります。

3. 搬入当日の安全確保

周囲に立ち入り禁止テープを張るなど、安全対策を実施。歩行者・車両の通行に配慮が必要な場合は、警備員を配置することもあります。

4. 設置・固定

キュービクルを所定の場所まで吊り上げて移動させ、基礎(コンクリート)に設置・固定します。傾きや設置ズレがあると、電気トラブルや水漏れの原因になるため、慎重に行われます。

搬出作業の流れ(入れ替え・撤去時)

搬出は、搬入よりもやや複雑になるケースもあります。特に古い設備の場合、錆び付きや劣化で動かしにくくなっている場合も。

1. 停電処理と電気設備の切り離し

まずは電力会社と連携して、安全にキュービクルを停止。すべての配線を切り離し、設備内に電気が流れていないことを確認します。

2. 養生と周囲対策

搬出時に建物や配管にぶつからないよう、床や壁などを養生(保護)します。屋内通路を使って運ぶ場合など、細かな段取りが重要です。

3. 吊り上げ・撤去

設置時と同じく、ユニック車などで吊り上げて搬出します。重量物を扱うため、転倒や人身事故のリスクを回避するために、作業員間での連携が必須です。

注意点とポイント

  • 搬入経路の確保:階段や狭い通路では搬入できない場合があります
  • クレーン作業の届け出:公道を使う場合は道路使用許可が必要なことも
  • 基礎の強度確認:重量に耐えられる基礎であるかを事前に確認
  • 近隣対応:騒音や振動、交通規制が発生する可能性があり、住民対応も必要なケースあり

まとめ

キュービクルの搬入・搬出は、ただ「運ぶだけ」と思われがちですが、実際には設置環境の確認、運搬計画、安全対策、そして電気工事と、複数のプロセスが重なります。
現場ごとに最適な方法が異なるため、経験豊富な専門業者に任せることがもっとも安全で確実です。

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