節電すればキュービクルは不要になる?

「最近は節電にも取り組んでいるし、キュービクルってもういらないのでは?」
そんな疑問をお持ちの店舗経営者の方も多いかもしれません。
しかし、節電とキュービクルの必要性は必ずしもイコールではないのが現実です。本記事では、「節電=キュービクル不要」の考えが成り立つのかを、契約電力や設備面から解説します。

キュービクルが必要かどうかを決める基準は?

まず大前提として、キュービクルが必要になるのは契約電力が原則50kW以上の場合です。

契約電力契約形態キュービクル
~49kW低圧契約(低圧電力)不要
50kW以上高圧契約(高圧受電)必要

つまり、「節電したらキュービクルがいらなくなるかどうか」は、最終的に契約電力が50kW未満にできるかどうかで決まります。

“節電”と“契約電力”は別物?

ここで注意すべきは、「節電」と「契約電力」は似て非なる概念ということです。

節電とは

実際に使った電力量(kWh)を減らすこと
 冷蔵庫の温度設定を弱くする/こまめに照明を消す

契約電力とは

使う可能性のある最大電力(kW)で契約されている上限
 同時に使用する機器が多いと高くなる

<設備の総容量例>

オーブン+空調+その他

契約容量108kW

50kW以上なので通常キュービクル設置が必要!

つまり、節電によって月の電気料金が下がっても、契約電力を下げない限りキュービクルは“契約上”必要なままなのです。

契約電力を下げることはできる?

節電を継続し、実績として使用電力のピークが長期間にわたって下がっている場合、電力会社に申し出て契約電力の引き下げ(契約変更)を交渉することは可能です。
しかし、ここには注意点があります。

  • 業種によってはどうしても電力使用が集中する時間帯がある(製パン業など)
  • 電力会社は“最大需要実績”の過去データをもとに契約変更を判断する
  • 設備の入れ替え(例:オーブン減設・空調の容量ダウンなど)も求められることがある

つまり、節電だけで50kW未満にするのは相当な計画と時間が必要なのです。

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キュービクルを外す場合の現実的な課題

仮に契約電力を50kW未満にして「高圧→低圧」に切り替える場合、
キュービクルを撤去し、店舗全体の電気設備を低圧用に切り替える工事が必要です。

課題内容
設備の工事費数十万〜100万円前後のケースも
電気容量の制限オーブンなど大容量機器が使えなくなる可能性
停電リスク高圧契約に比べて低圧は不安定になりやすい面もある

また、低圧契約にすると「電気料金単価」が上がることもあるため、
月々の電気代が逆に高くなることもあり、単純に「キュービクルを外せば安くなる」というわけではない点に注意が必要です。

キュービクルがあることで得られるメリット

節電を進めることは大切ですが、それと同時にキュービクルを有効活用する視点をもつこともできます。

使用電力量の管理がしやすい(デマンド監視)

→ 節電対策のデータ取得が可能。
→ ピーク電力を抑える制御機器(デマンドコントローラ)を組み込める。

太陽光・蓄電池・EV設備などと連携しやすい

→ エネルギーマネジメントの核としての役割が持てる。

複数店舗や大型冷蔵庫を使う施設では、高圧の方が電力の質が安定

つまり、「節電できたらキュービクルは不要」ではなく、キュービクルを活かして省エネと電力効率を両立する方向に目を向ける方が、長期的なコストダウンと設備の安定に寄与することもあるのです。

まとめ

キュービクルの必要性は契約電力(50kW以上)で決まる。
節電と契約電力は異なる概念なので節電してもキュービクルが必要なこともある。
契約変更には継続的な低負荷実績と設備変更が求められる。
キュービクル撤去には工事費や電気容量ダウンのリスクもある。
節電は重要だが、キュービクルを活用した効率的な省エネが現実的な面もある。

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