キュービクルの扉、開けてもいいの?──店舗でやってはいけない注意行動とは

電気料金やメンテナンスの話題になると、「キュービクルって扉を開けちゃダメなの?」「ちょっと中を見ても平気?」といった声が聞かれます。
実はこの行動、非常に危険で、法律違反にもつながる恐れがあるのです。
今回は「なぜキュービクルの扉を開けてはいけないのか?」を、技術・法律・実務の3つの観点から解説します。

【技術的な理由】高圧電気は“近づくだけ”で危険!

キュービクル内は、6,600Vもの高電圧が流れており、一般的な100V・200Vの感覚とは別世界です。

  • 金属に触れずとも、空気中を電気が飛ぶ(フラッシュオーバー)ことがある
  • 服装や湿度など、ちょっとした条件で感電リスクが発生
  • 目視での点検中に感電事故が発生した事例も

つまり、扉を開けるだけで命の危険があるのです。
高圧設備は、資格を持った専門作業員以外が「近づかない・触れない」が鉄則です。

【法的な理由】電気事業法で“無資格者の立ち入り”は禁止

キュービクルは「高圧受電設備」として、電気事業法の管理下にあります。
そのため、下記のようなルールが定められています。

  • 高圧部分は「電気主任技術者」または委託先(保安協会など)以外は作業不可
  • 点検や清掃目的であっても、無資格者が扉を開けること自体が違法
  • 一部の作業は、「電気工事士」や「特別教育修了者」などの有資格者のみ

仮に事故が起きれば、損害責任や行政指導の対象にもなりかねません。

【実務上の注意】ついやってしまいがちな行動とは?

飲食店などで実際に見られる「やってしまいがちなNG行動」を例として紹介します。

やってしまいがちなぜダメか
キュービクルの扉を開けて「ホコリチェック」感電・火災リスク/資格者以外NG
雨風避けに段ボールやビニールを被せる冷却妨害・火災・感電リスク
夏場に“扇風機”で冷やす内部で結露→ショートの原因に
暗いので“懐中電灯”を中に入れて点検器具が内部と接触=感電リスク

キュービクルの清掃・点検はすべて専門業者に依頼するようにしましょう。

【もし扉が開いていたら?】緊急時の対処方法

万が一、キュービクルの扉が風や振動などで「開いてしまっていた」場合の対処法は以下の通りです。

  • 近づかず、絶対に中を見たり触ったりしない
  • 保守契約している保安協会・電気工事会社にすぐ連絡
  • 電力会社(東京電力など)では対応不可の場合が多いので注意

※感電リスクがあるため、「扉をそっと閉める」のもNGです。

まとめ

キュービクルの扉を開けること自体が危険で違法の可能性もあるため、店舗スタッフは絶対に手を触れないことが基本です。

「ちょっと中を見ておこう」「ホコリ掃除しておこう」といった善意が、かえって大きな事故を招くことも。気になることがあれば、必ず契約中の保安協会や専門業者に相談しましょう。

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