キュービクルって落雷対策してるの?
雷の多い地域では「落雷で電気設備が壊れないか心配…」という声をよく耳にします。
中でも高圧電力を受ける「キュービクル」は重要なインフラです。落雷対策はされているのか?
本記事では、キュービクルと落雷の関係、実際の保護方法、導入時の注意点などを分かりやすく解説します。
落雷と電気設備、そもそもなぜ危ないのか?
落雷によって生じる電気的被害は主に次のものです。
- 直撃雷:落雷が直接キュービクルや建物に落ちるケース。破損・火災のリスクあり。
- 誘導雷(雷サージ):近くに落ちた雷が電線や地中のケーブルを伝って設備に高電圧が流れ込む現象。
特に誘導雷は広範囲で発生しやすく、設備内部の基板焼損や機器故障の原因になります。
キュービクルは落雷対策されているのか?
標準的なキュービクルには、次のような落雷対策機器が備えられています
避雷器(サージアレスタ)
雷サージがキュービクルに流れ込むのを抑える装置。瞬時に過電圧を地面に逃がす。
接地システム(アース)
雷電流を地中へ安全に逃がすための電気的接地。
金属筐体と接地構造
キュービクル自体が金属製で接地されているため、電気を内部にため込まず外部に放出。
これらの装置がセットで搭載されていれば、雷によるトラブルの多くを防ぐことができます。
設置場所と環境も大事なポイント
いくら機器が優れていても、環境によって落雷リスクは左右されます。以下のようなポイントにも注意が必要です。
- 高台や開けた場所(グラウンドや平地)に設置された場合、落雷のリスクが高い
- 近隣に避雷針付きの高層建物があるかどうかで影響が変わる
- 地盤が水分を含みやすい場所では接地抵抗値の変動も発生しやすい
こうした環境要因を踏まえた設計・点検が重要です。
落雷対策の追加オプション・更新工事
近年では、より高度な雷対策も増えています。
- SPD(サージプロテクタ):避雷器よりも低い電圧でも作動し、精密機器を守る。制御盤や制御系統で有効
- 落雷カウンター:雷サージの流入履歴を記録する装置。異常検出や更新判断に有効
- 老朽化キュービクルの避雷器更新:10年以上経過したキュービクルは、避雷器の動作保証が低下するため更新推奨
点検や機器交換は、電気主任技術者や高圧設備点検業者に依頼するのが一般的です。
実際にあった雷被害と教訓
工場・店舗などで発生した事例では、
- パソコンやPOSレジがすべて故障
- 警報システムや空調が誤作動
- 営業停止による数十万円〜数百万円の損害
といった損害が発生したケースもあります。多くは避雷器の未設置または接地不良が原因でした。
まとめ
キュービクルは落雷対策を前提に設計されていますが、「完全に安全」とは限りません。特に誘導雷への対策は、避雷器や接地工事の定期点検が肝要です。
雷リスクが気になる方は、
- 現在の避雷器の型式と設置年数の確認
- アースの接地抵抗値の測定
- 追加SPDの導入
などを検討しましょう。雷は一瞬、対策は万全に。それが高圧受電設備を守る第一歩です。
キュービクルの設置に迷ったらまずは当社にお問い合わせください!