キュービクルの点検ってどんなことしてるの?

「キュービクルの点検って、実際に何を見てるの?」「誰がやるの?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。高圧受電設備であるキュービクルには、法令で定められた点検義務があります。本記事では、月次点検・年次点検で行われる内容を中心に、実際の作業項目とその意味、重要性について解説します。

点検は“義務”

電気事業法と電気設備技術基準により、キュービクルを含む高圧受電設備には次のような点検義務があります。

  • 月次点検:毎月1回以上、電気主任技術者による外観・計器確認など
  • 年次点検:1年に1回以上、停電を伴う本格的な内部点検

これらは単なる慣習ではなく、法律で義務化されており、怠ると是正指導や罰則対象になります。

月次点検で何をする?

月次点検は、主に外観や運転状況の確認を通じて、異常の早期発見を目的とします。

具体的には・・・
漏電・過熱・異音・異臭の有無を目視・嗅覚で確認
電圧・電流・電力量などの計器確認(過負荷・アンバランスチェック)
放熱ファンや換気口の汚れ確認
端子の緩み・錆の有無
警報装置の正常動作チェック

→異常があれば写真記録や報告書にまとめ、修理・部品交換などの対応へとつなげます。

年次点検の内容は?

年次点検は、キュービクルの運転を停止して行うため、より深いチェックが可能です。

主な作業項目は・・・
絶縁抵抗測定(漏電リスクのチェック)
接地抵抗測定(感電防止)
高圧遮断器やトランス内部の清掃・試験
継電器(保護リレー)の動作確認・校正
接続部の締め直し
外装の損傷・腐食の点検

停電が伴うため、年1回の定期休業日や夜間・休日などに行われるケースが多いです。

点検するのは誰?

キュービクルの点検を行えるのは、原則として第3種以上の電気主任技術者資格を持った技術者です。

・電気管理技術者(外部委託)や、ビル管理会社に専属技術者がいる場合も
・自家用電気工作物としての扱いがあるため、「技術者不在」はNG

点検しないとどうなる?

・火災・感電・漏電といった重大事故のリスクが高まる
・電力会社との契約更新時に指摘される可能性
・保険対象外になる(火災保険・PL保険など)
・事故時に「管理責任」が問われる可能性大

点検記録はどう扱う?

点検結果は、所定の「点検記録簿」としてまとめられ、一定期間の保管が求められます。

・月次・年次ともに写真付きで報告されることが多い
・記録がないと、法的な証明ができない=トラブル時に不利になる

店舗オーナーや事業主ができること

検は専門家に任せるのが基本ですが、オーナー自身もできる範囲で以下を意識しましょう

・キュービクルの周囲を常に整理整頓(可燃物NG)
・定期点検の実施日・結果に関心を持つ
・点検報告書をきちんと確認・保管する

まとめ

キュービクルの点検は、“ただの点検”ではなく、施設の安全を守るための最前線です。

特に年次点検は停電を伴うためスケジューリングが大変ですが、その分リスクの芽を根こそぎ摘むことができます。
点検を「面倒なコスト」と捉えるのではなく、「事故予防のための投資」として前向きに捉えることが、安定した電気供給と事業継続の鍵となります。

キュービクルの設置に迷ったらまずは当社にお問い合わせください!