キュービクル壊れたらどうなるの?
普段意識することの少ないキュービクル。しかし、もしそれが突然壊れてしまったら──。
高圧受電を担うこの設備は、建物全体の電気の“玄関口”ともいえる存在です。万が一のトラブル時に、どのような影響があるのか、また事前に取れるリスク対策にはどのようなものがあるのかを解説します。
キュービクルの役割をもう一度確認
キュービクルは、電力会社から供給される6,600Vの高圧電力を、施設内で使える100V/200Vに変圧・分配する設備です。内部にはトランス(変圧器)や遮断器、避雷器、計器などの重要機器が詰まっており、すべての電気を一手に管理・制御しています。
キュービクルが壊れるとどうなる?
結論から言えば、施設全体が停電します。以下は代表的なトラブルの一例と、その影響です。
- トランス故障:変圧ができず、施設内に電気が供給されない
- 遮断器の不具合:短絡・過負荷に対する保護が働かず、重大事故につながる可能性
- 配線トラブル:一部フロアや機器への電気供給が停止
- 漏電・アーク発生:火災や感電事故のリスク
特に飲食店や食品工場では、冷蔵庫・冷凍庫・オーブンなどの主要設備がストップし、営業継続が不可能になるケースもあります。
故障が営業に与える具体的な影響
- 1日でも停止すれば数十万〜百万円規模の売上損失
- 冷凍・冷蔵品の廃棄リスク
- 仕込み中の生地や食材のロス
- 従業員のシフト調整や対応負担
- 顧客や取引先への信頼低下
特に夏場やイベント前など繁忙期のトラブルは、事業への影響が甚大になります。
なぜ壊れるのか?主な原因と傾向
キュービクルの故障には以下のような原因があります。
- 経年劣化:設置から10〜20年以上経過し、絶縁材や部品が劣化
- メンテナンス不足:年次点検や部品交換が適切に行われていない
- 雷や落雷被害:避雷設備が不十分な場合に瞬間的な破損
- ホコリ・湿気による腐食やショート
- 突発的な過電流や電圧変動
こうした要因が重なることで、突然の停止や重大事故につながります。。
故障した場合の対応と復旧の流れ
キュービクルが故障した場合、以下のような流れで対応が進みます。
- 電気が使えなくなる(施設内停電)
- 保守会社や管理業者に連絡(24時間対応が望ましい)
- 現地調査 → 応急処置(仮復旧)
- 部品手配・本復旧(数日かかる場合も)
- 電力会社への報告や再送電手続き
この間、電力が止まるため、事業は停止を余儀なくされます。
予防策:トラブルを未然に防ぐには
- 年次点検の実施(法定義務あり)
- 定期的な部品交換(10〜15年目を目安に)
- 劣化部位の予兆管理(熱画像診断・絶縁抵抗測定など)
- 避雷器・電圧抑制装置の設置強化
- 保守契約による24時間対応体制の構築
また、動力機器のブレーカーが落ちる頻度が増えた/異音や発熱を感じるなどは、故障の予兆サインかもしれません。早めの点検依頼をおすすめします。
まとめ
キュービクルの故障は、「突然の停電」だけでなく、「数日の営業停止」「食品廃棄」「顧客離れ」など、事業全体に深刻な影響を及ぼします。
しかし、こうしたトラブルの多くは、日頃のメンテナンスと予防対策で防ぐことが可能です。また、万が一に備えて、保守契約や復旧対応のフローをあらかじめ整備しておくことも大切です。
“見えない設備”だからこそ、意識して備える。それが、安定した事業運営の第一歩です。
キュービクルの設置に迷ったらまずは当社にお問い合わせください!