キュービクルって場所とらない?

省スペース化が進んだ現代でも、やはり「キュービクルは場所をとるのでは?」という疑問を持つ方は少なくありません。
特に飲食店や商業テナントのオーナーにとって、限られた敷地をどう使うかは死活問題。この記事では、キュービクルの設置スペースの実際のサイズ感や注意点、配置の工夫まで解説します。

キュービクルの標準的なサイズ感

キュービクル本体のサイズだけでなく、以下の付帯スペースも確保が必要です:

  • メンテナンス用の前面スペース(1〜1.5m程度)
  • 放熱・通風スペース(特に屋外設置時)
  • 点検用通路(人が立ち入れる程度)
  • 感電防止の安全距離(他機器・構造物との距離)

そのため、実際には5〜6㎡以上(約3坪〜)の空間が必要となるケースもあります。

大きさも様々です。屋上に設置している施設も多くあります。

キュービクル
キュービクル
キュービクル
キュービクル

屋外設置と屋内設置、どちらが一般的?

一般的には屋外設置が主流です。

  • 屋外設置:スペース確保がしやすく、放熱性にも優れる。建物外壁沿いや屋上に設置されることが多い。
  • 屋内設置:倉庫や工場内などに設置されるが、騒音・放熱・安全管理の点でハードルが高め。

特に商業施設や飲食店では、店舗の裏手や敷地の角地、駐車スペースの一部を使う形で設置されることが多いです。

都市部では“場所がない”が課題に

都市部のテナントビルや駅前店舗では、そもそもキュービクルを置けるような「空きスペース」がないケースも多く見られます。

この場合、以下のような対応が検討されます:

  • 屋上設置:建物構造と耐荷重に注意が必要
  • 分離設置:建物とは別の敷地(隣接地や屋外ボックス)に設置
  • 受電方法の見直し:キュービクルではなく、低圧受電+電子ブレーカー等での対応

ただし、「受電方法を変える」ことで契約電力や料金単価に影響が出るため、専門家の判断が必要です。

スペースが制約されるなら“ユニット型”を検討

スペースを確保しづらい施設では、ユニット型・コンパクトタイプのキュービクルが有効です。

  • 幅2m以内、奥行き1m以内の小型設計
  • 機器を1ユニットに集約し、搬入・設置が簡単
  • 設置面積を通常の約70%程度に抑えられる

これにより、ビルの裏手や限られた屋外スペースでも設置が可能になるケースがあります。もちろん、その分トランス容量やメンテ性には限界があるため、電力使用計画とのすり合わせが必要です。

どうしても置けないときの代替案は?

「物理的にスペースがない」「設置によって景観を損ねる」などの理由で、どうしても設置が困難な場合は以下のような代替策が検討されます。

  • 低圧契約のまま運用し、電力消費を抑える工夫をする
  • 設備容量を分散し、複数回路で対応する
  • 敷地外設置を前提とした電気設計を行う(電力会社との協議要)

つまり、場所がとれない=事業ができないというわけではなく、初期設計段階で柔軟な電力プランを組めるかどうかが鍵となります。

まとめ

キュービクルは確かに「ある程度の場所」が必要な設備です。ただし、設置の工夫や小型化の選択肢、代替案なども進化しており、すべての事業者にとって“場所の壁”が越えられない障害になるとは限りません。

重要なのは、出店計画や建物設計の初期段階で、「どこに、どのくらいのスペースを確保すべきか」を事前に見積もること。そして必要ならば、早い段階で電気工事業者や設計士と連携を取りながら、最適な設置方法を検討していくことです。


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