第21回 電気にまつわるエトセトラ「激変緩和措置の終了」

キュービクル回避の担当、丸山です。(国家資格:第二種電気工事士)
こちらでは、「電気」に関係するお役立ち情報を伝えていきたいと思います!

今回は、「激変緩和」という国からの補助措置が5月末で終了したことで、「6月以降の電気代がどうなっていくのか?」を話していきます。

大手電力会社10社値上がり

6月使用分(7月請求)の家庭向け電気料金が大手電力10社全てで大幅に値上がりする見通しです。
価格を抑える政府の補助金が、6月使用分から廃止されるためです。
前年2023年6月と比較して、関西電力では46.4%、九州電力では43.8%の上昇となります。
再生可能エネルギー普及に向けて、電気料金に上乗せする賦課金が4月に引き上げられたことも影響しました。
その他の値上がり率は、中部電力25.1%、東京電力が20.9%、四国電力が20.1%、沖縄が19.4%、東北電力と北陸電力が17.5%、北海道電力が17.2%、中国が14.4%となります。

大手電力会社料金見通し(円)上昇率(%)
(2023年6月使用分比較)
北海道電力9,52317.2
東北電力8,85517.5
東京電力8,93020.9
中部電力8,69125.1
北陸電力7,75817.5
関西電力7,66446.4
中国電力8,51414.4
四国電力8,59520.1
九州電力7,55143.8
沖縄電力9,66319.4
参考資料:共同通信より

関西電力と九州電力の2社の上昇率が高いのは、今までこの2社だけが値上げを実施していなかったからです。

なぜ各社大手電力会社は軒並み値上げをしていたのに、この2社は値上げをしなったのでしょうか?
その背景には、「電源構成」が関係しているかと思います。

電源構成比2022年度実績
東京電力・・・原子力0%
関西電力・・・原子力23.3%
九州電力・・・原子力23%
関西電力と九州電力の2社は、「原子力発電」を使用しています。原子力発電の比率を上げて、発電コストの高い火力発電を抑えることで、値上げせずにいけたのだと思います。

過去の最高水準に近づく地域も!

東京電力によると、今年7月に請求される家庭向けで契約者の多い「規制料金」は、使用量が平均的な家庭で、前の月より約400円近く値上がりし、8,930円となる見通しで、これまでで最も高い水準に近づきます。
これは、政府が物価高騰対策として行っていた電気料金への補助金を6月請求分で一旦終了するためで、ロシアによるウクライナ侵攻を背景にした燃料価格の高騰で最も高い水準となった、2022年9月から2023年1月にかけての9,126円に近づく形です。
ただ、会社によりますと、電気料金に大きく影響する直近のLNG(液化天然ガス)の輸入価格は、暖冬などの影響で下落していて、補助金の終了に伴う値上がり幅を、一定程度、抑える方向に働いているということです。

無理のない範囲えの節約が大事!

住宅メーカーの意識調査によると、節電のため冷房や暖房を「我慢」しているという回答が60.5%に上りました。
暖房や冷房の不使用は命に関わるリスクにもなりかねないので、節約するにしても無理のない範囲で行うことが重要です。できることから節約を実施していきましょう!

これから夏にかけ、暑い日が続いていくので冷房は欠かせないと思います。無理のない範囲での節電・節約をしていけるのが望ましいですね。


お読みいただきありがとうございました!

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※キュービクル回避ネットを運営する株式会社グローアップは電力会社です。