第20回 電気にまつわるエトセトラ「激変緩和措置の終了」

キュービクル回避の担当、丸山です。(国家資格:第二種電気工事士)
こちらでは、「電気」に関係するお役立ち情報を伝えていきたいと思います!

今回は、「激変緩和」という国からの補助措置が5月末で終了したというお話をします。

激変緩和措置とは?

エネルギー価格の高騰によって負担が大きくなった企業や家庭に対して、その負担を軽減するために電気の使用量に応じて値引きを行う補助事業です。

実施期間と値引き額

2023年1月使用分から2024年5月使用分までです。当初は2023年1月から9月使用分までとされていましたが、企業や家庭のエネルギー価格の負担は以前として大きいことから措置期間を2023年12月使用分まで延長することになりました。
そこからさらに延長することとなり、最終的に2024年5月末で措置が講じられることになりました。
値引き額は、2023年1月~8月使用分までは7月/kwh。2023年9月~2024年4月使用分までは3.5円/kwh。
2024年5月使用分は1.8円/kwhとなります。

適用期間電気(低圧)電気(高圧)都市ガス
2023年1月使用分~
8月使用分
7.0円3.5円30円
2023年9月使用分~
12月使用分
3.5円1.8円15円
↑当初はココで終了予定
↓期間延長分↓
2024年1月使用分~
4月使用分
3.5円1.8円15円
2024年5月使用分1.8円0.9円7.5円
※沖縄電力エリアは単価が異なります。

実施の背景

激変緩和措置が実施された背景には、2つの理由が大きく関係しています。

国際情勢による燃料価格の高騰
電気代が高騰している理由は、電気料金を構成する要素の一つである燃料価格が高騰しているからです。
燃料価格が高騰した原因は、ロシア・ウクライナ間の国際情勢にあります。
世界でも有数の化石燃料の輸出国であるロシアがウクライナに侵攻したことによって欧米諸国がロシアに対して経済制裁を実施しロシアの資源輸出に制限がかかりました。
その結果、化石燃料の供給が減少し世界的に化石燃料の価格が高騰しました。
日本の電源構成のうち約7割は化石燃料が必要な火力発電となっており、その燃料のほとんどを輸入に頼っているため日本の電気代が高騰しました。

円安による影響
2022年3月頃から円安が進んだことによって輸入のコストが増大しました。
日本は化石燃料を輸入に頼っているため円安の影響を大きく受けました。

どのくらい緩和されていたか?

2023年1月~9月使用分までは、標準世帯で2,800円/月ほどの値引きになり、2023年10月~2024年4月使用分までは、1,400円/月ほどの値引きになります。標準世帯とは、月あたり平均400kwhの電気を使用する世帯のことです。
低圧契約の家庭や企業などで使用する電気に関しては、低圧電力の値引き単価に電気使用量をかければ、値引き額を計算することができます。

【値引き額の計算方法
値引き単価7円/kwh × 電気使用量(kwh)約400kwh = 値引き額約2,800円

再生可能エネルギー発電賦課金という項目も今年は上がることが決定されてますので、今後も電気代が上がる可能性は高いですので何か対策していきたいですね。

今後の見通しと対策

今後の見通し
6月からは激変緩和措置がなくなり、再生可能エネルギー発電賦課金の値上げなど、今後も電気代はさらに高くなっていく見通しです。理由は前述に述べた通り、国際情勢による燃料価格の高騰と円安による影響が主になります。

今後の対策
「節電」を行うこと
当たり前のことですが、照明をLEDに変えたり、冷暖房の温度設定を緩くしたりと、自分のできる可能な範囲での「節電」を心がけていきましょう。
「再生可能エネルギー設備の導入」(太陽光発電・蓄電池システム)
再生可能エネルギー設備のメリットとしては、発電した電気を自分で使うこともできますし、余った分は売ることもできるという点です。
逆にデメリットとしては、初期費用がかかると言われていますが、国や自治体から補助金が出ていますので、以前と比較すると購入費用も抑えられます。
一度、自治体に相談して導入を検討していみるのも良いでしょう。


お読みいただきありがとうございました!

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