キュービクルの構造について Vol.1

キュービクル回避の担当、丸山です。(国家資格:第二種電気工事士)
こちらでは、キュービクルについての情報や「キュービクル回避」について私が担当した事例などをまじえ詳細をご紹介していきます。


前回までは「キュービクルは必要?」という内容についてお伝えしていました。
まだ途中ではありますが今回はより詳しくキュービクルというものを知るために「キュービクルの構造」について掘り下げたいと思います。
まず毎回お伝えしていますが、キュービクルは、高圧電力(6,600V以上)を受けるための設備で、工場やビルなどの比較的大規模な施設で使用されます。鉄製またはアルミ製の箱型の構造で、防水・防塵性が高く、内部に高圧機器を収めています。

キュービクルイメージ
キュービクルイメージ

キュービクルの構造

キュービクルは、いくつかの重要な機器で構成されています。それぞれの役割を簡単に見ていきましょう。

高圧受電部

【役割】
電力会社から送られてくる高圧電力(通常6,600V)を受け取る部分。
【主な構成機器】
受電遮断器(VCB):異常時に回路を遮断して安全を確保。
避雷器:雷による過電圧から機器を保護。

変圧器部

【役割】
高圧電力を必要な電圧(例:200Vや400V)に変換する。
【構成機器】
油入変圧器:絶縁油を使用して電圧を変換するタイプ。
モールド変圧器:絶縁材として樹脂を使用するタイプで、メンテナンスが容易。

低圧配電部

【役割】
変圧後の電力を施設内の各設備に分配する。
【構成機器】
配電盤:施設内の各エリアへ電力を分配。
ブレーカー:異常時に回路を遮断し、過負荷や短絡を防ぐ。

保護装置

【役割】
キュービクルや設備全体を保護するための装置。
【構成機器】
過電流継電器:異常電流を検知して遮断器を動作させる。
地絡継電器:地絡(漏電)を検知して遮断する。

上記をまとめると、キュービクルの構造は、金属製の箱型筐体(エンクロージャー)によって保護されており、防塵・防水設計が施されています。
筐体内には、高圧受電部、変圧器、遮断器(ブレーカー)、配電盤などの機器が配置され、電力の変換や分配、安全確保を行います。また、発熱対策として自然換気や強制換気の仕組みを備え、安全機能としてアース(接地)、過電流防止装置、漏電検知機能などが搭載されています。

キュービクルの構造は、非常に合理的で効率的に設計されていると感じます。金属製の筐体による保護や、高圧電力を低圧に変換するための変圧器、過電流や漏電を即座に検知する安全装置など、すべてが電力供給の信頼性を高めるために工夫されています。

また、換気や冷却に配慮している点も興味深いです。電力設備では発熱が大きな課題になりますが、自然換気や強制換気を取り入れることで、機器の長寿命化を実現しているのは技術的な見どころの一つです。


キュービクルを回避できる目安は以下の通りです。(※あくまで目安ですので詳細はお問い合わせください)
■動力の容量

スクロールできます
管轄概ねOK要検討ほぼNG
東京・中部・北陸・九州~75kW76~109kW110kW~
北海道・東北・関西
中国・四国
~65kW66~79kW80kW~

お読みいただきありがとうございました!
次回もキュービクルは必要か?についてお伝えしたいと思います。


キュービクルの設置にお悩みの方、何でもお気軽にご相談ください!

※キュービクル回避ネットを運営する株式会社グローアップは電力会社です。