新規出店での電気容量計画とキュービクル設置の進め方は?
新規出店を計画する際、意外と見落とされがちなのが「電気容量」の問題です。
オーブンや冷蔵庫、空調など電力を多く消費する業態では、容量不足により後からキュービクル(高圧受電設備)の設置が必要になるケースも。ここでは、出店前の段階から無駄なく、かつスムーズに電気容量を確保し、必要であればキュービクル設置へと進むためのより良い進め方を紹介します。
まずは「必要電気容量」を把握する
出店先の物件を検討する前に、必要な電気容量を洗い出すことが重要です。
【飲食店の場合の例】
厨房機器のリストアップ(オーブン、ミキサー、冷蔵機器、エアコンなど)
それぞれの消費電力(kW)を確認
同時稼働する時間帯を想定し、「ピーク電力」を計算
丸山この段階で、合計40kWを超えそうな場合は、キュービクルの可能性が視野に入ります。
候補物件の「電気契約条件」を確認する
物件選定時は、「広さ」や「立地」だけでなく、以下の電気条件を必ず確認しましょう。
現状の契約種別(低圧/高圧)
受電容量
分電盤の状況
キュービクルの有無
既存のテナント物件では契約容量が20〜30kW前後に抑えられていることも多く、十分な電力供給ができないことも。容量不足が明らかな場合は、追加容量の増設か、高圧契約への切り替え=キュービクル設置が必要となります。
キュービクルが必要かどうかをプロに相談する
「キュービクルが本当に必要なのか?」
この判断は、電気工事の専門家に依頼した負荷計算で見極めます。
負荷計算により「最大需要電力(ピーク電力)」を予測
契約容量の確保や電力会社との調整も視野に
物件によっては敷地の形状や用途地域の制限で設置できないケースもあるため、早期判断が肝心です



キュービクルが必要か悩んだらまず「キュービクル回避ネット」にご相談ください!
キュービクル設置までの流れ
実際にキュービクルが必要と判断された場合、以下のようなステップになります。
全体で3〜4ヶ月かかるのが一般的なスケジュールです。内装工事と並行して進められないケースもあるため、開業日から逆算して早めの着手が必要です。
出店初期こそ“電気計画”が勝負を分ける
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 必要容量の把握 | 機器の消費電力と同時使用量の確認 |
| 物件選定時の注意点 | 契約容量・分電盤・キュービクルの有無 |
| 専門家の負荷計算 | 最大需要電力を正確に把握 |
| 設置スケジュール | 申請〜受電まで3〜4ヶ月 |
| 代替策の検討 | 電子ブレーカーやガス併用など |



店舗運営では「オープンしてから困る」より、「準備段階で防ぐ」が鉄則です。電気容量とキュービクルの計画は、早めに動き出すことでトラブルを防ぎ、スムーズな出店につながります。
まとめ
- デマンドコントロール機能は、ピーク電力を抑えて基本料金を削減できる
- 最近は、キュービクルにこの機能が組み込まれたタイプも増えている
- 初期コストはかかるが、長期的には十分な投資対効果あり
- 電力管理と脱炭素経営を両立させたい企業に最適
キュービクルの設置に迷ったらまずは当社にお問い合わせください!
【この記事の監修】
株式会社エネシフト(キュービクル回避ネット運営会社)
丸山 賢司 電気容量コンサルタント/国家資格:第二種電気工事士
約20年建築関連や電気関連の職務に従事。
製パン・製菓業界を中心にキュービクル回避を始め電気容量コンサルタントして数多くの店舗、会社を支援。
現在は業界外の電気容量対策支援とキュービクル回避の普及を行っている。
「自分の仕事で誰かを幸せにする」をモットーに日々の職務に励んでいる。



