キュービクルの“絶縁油”って危険なの?

「うちの店の裏にあるあの箱の中、油が入ってるらしいけど…」「火事になったりしない?」「環境に悪いって本当?」
そんな不安の声も聞こえてくる、キュービクルに使われている“絶縁油”について、
その正体と安全性、そして扱い方について解説します。

“絶縁油”ってなに?

キュービクルの中で使われる「絶縁と冷却」のためのオイル

キュービクルの中には、変圧器(トランス)と呼ばれる機械が入っています。
この変圧器が、6600Vの高圧電気を店内で使える100V・200Vに変換する役目を担っています。

この変圧器の内部には、“絶縁油(ぜつえんゆ)”と呼ばれる油が使われています。

その目的は主に2つ

  • 電気を通さない性質(=絶縁性)でショート(短絡)を防ぐ
  • 熱くなりやすい変圧器の部品を冷却する

つまり、絶縁油は安全な運転のために必要不可欠な存在です。

危険性はある?

結論から言えば、普段使いならほぼ問題はありません。

通常の使用環境下では「人体に影響なし」】
現在、日本国内で使われている絶縁油のほとんどは「鉱油系絶縁油」で、
一般的なキュービクルに使われているものは微量な臭気があるだけで、発火性も低く、人体に有害ではありません

常温・密閉状態で管理されている限り、漏れ出したり、危険なガスを出すこともなく、飲食店のような現場で「日常的に危険を感じる必要はない」と考えて大丈夫です。

過去に問題となった「PCB含有油」って?

昔は「PCB(ポリ塩化ビフェニル)」を含む絶縁油も使われていた

1970年代以前に製造された一部の古いキュービクルには、PCBという有害な物質を含む絶縁油が使われていました。

PCBは強い毒性と環境残留性が問題視され、現在は製造・使用ともに禁止されています。

  • PCB入り機器は環境省・自治体に届け出義務あり
  • すでに大半は交換・廃棄済ですが、ごく一部の古い機器で残っている可能性もあります。

実際に起こりうるトラブルは?

絶縁油に関する代表的なリスクは?

トラブル内容原因影響
油漏れ経年劣化や地震・衝撃など周囲の汚染、トランス故障
発煙・発火高温や絶縁劣化で異常加熱店舗全体の停電、火災リスク
匂い油の酸化や熱変質嫌な臭い、周囲の不安を招く

ただし、これらはどれも「保守不良・放置」が主な原因です。
しっかりと点検をしていれば、ほとんどのリスクは防げます。

安全に使うために事業者・店舗ができること

日常的に確認できる3つのポイント

  • キュービクルの周りに物を置かない→ 通風を良くし、異常加熱を防止。
  • 異音・異臭がしないか気をつける→ 漏れや劣化の兆候を早期に発見。
  • 外装にサビ・破損がないかチェック→ 雨漏りや腐食で内部トラブルに繋がることも。

万が一の「油漏れ」時は?

  • 素手で触れず、キュービクルの扉は開けない
  • すぐに点検・保守会社に連絡
  • 漏れた油が地面に流れている場合は、掃除せず、写真を撮って保管・報告

まとめ

  • 絶縁油はキュービクルに不可欠な冷却・絶縁用の油です。
  • 現在使われているものは基本的に人体や環境への影響は少ない。
  • ただし古い設備や、メンテナンス不足では油漏れ・発火リスクもゼロではありません。
  • 定期点検と日常的な見回りで、安全に長く使い続けましょう

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