キュービクルの設置場所、どこでもいいわけじゃない?──安全性・法令・実務面から解説
これまでも設置場所については解説してきましたが、今回はさらに深堀してみます。
キュービクルを設置の際には「置けるスペースがあればどこでも大丈夫」と思いがちですが、実はそうではありません。
設置場所に関する法令・安全上の条件・実務的な配慮ポイントをく解説します。
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キュービクル設置には法令上の制約がある
キュービクルの設置場所は、電気事業法や消防法に基づく基準に従う必要があります。
例えば、
- 感電や漏電時の危険を避けるための距離要件
- 消火活動の妨げにならない位置取り
- 火気・可燃物との距離確保
- 点検・保守作業が容易に行えるスペースの確保
たとえば、建物の屋上に設置する場合、強風対策・転落防止策などが必要となりますし、地上設置であっても人通りの多い場所や通学路沿いなどは避けることが望ましいとされています。
実務上も「メンテナンス性」と「安全確保」が重要
設置後も10年・20年と安定して使い続けるためには、定期点検・更新工事が可能なレイアウトかどうかが非常に重要です。
- 作業員が出入りしやすい通路があるか?
- 点検時の電源遮断に支障が出ないか?
- 雨風による劣化や腐食リスクが少ないか?
- 荷捌き・駐車など、業務の邪魔にならないか?
など、保守性を考慮した「実務視点」での設置検討が必要です。
屋内設置と屋外設置、それぞれのメリット・注意点
キュービクルは基本的に屋外設置型が多いですが、施設の構造によっては屋内設置も可能です。
設置形式 | メリット | 注意点 |
屋外設置 | ・施工が比較的容易 ・スペースを確保しやすい | ・風雨・日照による劣化 ・防錆・防水対策が必要 |
屋内設置 | ・気候劣化を防げる ・防犯性が高い | ・防火区画が必要 ・設置スペース確保が難しい |
どちらも一長一短があるため、電気主任技術者や設備業者との事前相談が不可欠です。
設置場所によってコストも変わる
見落としがちですが、設置場所によってキュービクル本体や付帯工事のコストも変わります。
- 屋上や高所に設置 → クレーン手配や耐震補強が必要で割高
- 地中埋設型 → 土木工事や防水対策が必要
- 屋外設置 → 防錆・耐候塗装グレードの調整が必要
つまり、「置ける場所にただ置く」ではなく、費用・安全・長期運用のバランスを見て設置場所を選ぶ必要があります。
まとめ
キュービクルの設置場所選びは、
- 法令(電気事業法・消防法)
- 保守性(点検・交換のしやすさ)
- 安全性(人通り・災害リスク)
- コスト(工事や本体の仕様)
といった複数の観点をバランス良く考慮する必要があります。
設置を検討している場合は、必ず電気工事会社・電気主任技術者に事前相談し、「今だけでなく、10年後も使いやすい配置」を意識して場所を決めましょう。
キュービクルの設置に迷ったらまずは当社にお問い合わせください!