キュービクルって中古でも大丈夫?

「新品のキュービクルは高いと聞いたけど、中古でもいいの?」「中古の電気設備って不安…」そんな声に応えるために、本記事ではキュービクルの中古品導入について、メリット・デメリット、安全性のポイント、購入時の注意点を解説します。コスト削減と信頼性のバランスをどう取るか、現場での実例も交えながら紹介していきます。

中古キュービクルとは?

中古キュービクルとは、以前に他の施設で使用されていた高圧受電設備を解体・整備・再点検した上で、再販売されたものを指します。

  • 製造から10~20年程度のものが多い
  • 新生品」として再整備販売している企業もある
  • 中古といっても、整備内容によって“新品同様”の性能を持つ場合もある

中古キュービクルを選ぶメリット

1.コストダウン
・新品は500~1000万円程度かかるが、中古なら半額以下に抑えられることも
・限られた開業予算でも、高圧受電を導入できる選択肢に

2.短納期
・新品は受注生産で納期が2ヶ月以上かかるが、中古は在庫があれば即納も可能
・工期を圧縮したい店舗・施設には有利

3.環境負荷の低減
・リユース・リサイクルの観点からも環境に優しい選択肢

中古キュービクルのリスク・注意点

1.経年劣化
・金属部品の腐食、絶縁性能の低下などの劣化リスクがある
・特に湿気・塩害地域では劣化が早まる傾向

2.規格不適合の可能性
・古い型式のものは、現行の電気設備技術基準に合致しないことも
・特に逆潮流対応(太陽光連系)などは非対応のケースが多い

3.点検履歴の有無
・過去の保守履歴がない、または不明確な中古品は避けるべき

信頼できる中古を選ぶためのポイント

  • 整備内容が明記された「検査記録・仕様書」を必ず確認
  • 絶縁抵抗・耐圧試験など、法定点検項目が実施済かどうか
  • 保障期間・アフターサポートの有無を確認(最低1年保証推奨)
  • 信頼できる専門業者を通す(例:スズキ産業、愛工舎、電設系商社など)

中古でも「電力会社の審査」は必要

キュービクルが中古であっても、電力会社との連系協議・承認は必須です。

  • 高圧受電契約の開始時には「竣工図・仕様書・点検結果報告書」などが求められる
  • 不適合が見つかれば、設置済でも使用を拒否されるケースもある

→つまり、「中古なら誰でもすぐ使える」わけではなく、再設置時に“新品同様”の審査を受けることになる点に注意が必要です。

こんな場合は中古が向いている?

  • 開業資金を圧縮したい新規出店の飲食店・工場など
  • 一時的な仮設利用(イベント会場や仮設工場など)
  • 電力容量が小さく、リスクが限定的な施設(10〜50kVA程度)

逆に新品を選んだ方がいいケース

  • 太陽光発電との連系を予定している
  • 自家消費の増加によって、今後の拡張が見込まれる
  • 15年以上使う予定の本設工場・医療施設・保育施設など

まとめ

キュービクルの中古品は、コストを抑えたい事業者にとって有効な選択肢ですが、整備・検査・保証の品質によって信頼性が大きく異なります。

導入を検討する際は、価格だけでなく、「いつ製造されたのか」「どんな整備を受けたのか」「保守体制はどうか」といった点をしっかり確認することが肝心です。

中古でも安心して使える設備に出会えるかどうかは、“どこから買うか”にかかっている──そう言っても過言ではありません。
キュービクルの耐用年数のことも考えて判断することが重要です。

キュービクルの設置に迷ったらまずは当社にお問い合わせください!