キュービクルって高いの?
「キュービクルを設置するには数百万円かかるらしい」
初めてキュービクルの導入を検討した方が最も驚くポイントのひとつが、その価格の高さです。
なぜそんなに高いのか?どこにそのお金がかかっているのか?補助金やリースで安くする方法はないのか?
本記事では、「キュービクルは高いのか?」という問いに対して、導入価格の内訳、相場、費用対効果の視点から解説していきます。
キュービクルの価格相場とは?
まず、一般的な相場を見てみましょう。
キュービクルの規模 | 想定契約電力 | 価格帯(本体のみ) |
---|---|---|
小規模(30~75kVA) | 30~50kW | 約200万~400万円 |
中規模(100~200kVA) | 50~100kW | 約400万~700万円 |
大規模(300kVA以上) | 100kW超え | 約700万~1,000万円以上 |
※上記はあくまで目安であり、設置環境や機能(例:遠隔監視・高性能遮断器付きなど)により価格は大きく変動します。
キュービクルにかかる費用の内訳
「キュービクル=箱を買う費用」ではありません。
以下のように、さまざまな要素が費用に含まれています。
- 本体機器費用(変圧器・遮断器・計器類など)→ 全体の50〜60%
- 基礎工事費(コンクリート台座の設置など)→ 約10〜15%
- 配線・接続工事費(電柱からの引き込み/建物内への配線)→ 約10〜20%
- 電力会社との協議・申請費(受電設備設計、図面提出など)→ 約5%
- 設置後の試験・検査費用(絶縁抵抗試験・耐圧試験など)→ 約5%
- 付帯工事(防音、防水、囲い、照明など)→ 約5〜10%
結果的に、本体価格よりも「設置までにかかる諸経費」の方が膨らみやすいという傾向があります。
リースで導入するとどうなる?
【リースの特徴】
項目 | 内容 |
---|---|
契約期間 | 7年〜15年程度が一般的 |
月額費用 | 3万〜10万円(仕様・容量により) |
保守見込み | 年次点検・修理込みプランも多数 |
買取オプション | 契約終了後に残価で買い取り可能なケースも |
ただし、長期的に見ると割高になる可能性があるため、「手元資金の流動性」と「保守の外注化」のバランスで判断するのがポイントです。
補助金で導入費を下げることも可能
地域によっては、以下のような補助制度が利用できるケースがあります。
- 【省エネ・再エネ補助金】
→ EMS(エネルギーマネジメント)導入を前提に、キュービクルも対象に - 【中小企業向け経営強化支援】
→ 老朽設備の更新、新設に関する助成金 - 【自治体独自補助金】
→ 地域振興・再開発支援に含まれる場合あり
キュービクル単体では補助対象外でも、建物全体の「設備強化パッケージ」として提案すれば、対象となる可能性が高まります。
中古品・再生品という選択肢も
予算が限られている場合、中古キュービクルや再整備済み製品を活用する方法もあります。
専門業者が整備し直したうえで、保証付きで販売されているケースもあり、
- 本体価格が50〜70%程度に抑えられる
- リースより安く、購入による資産化が可能
ただし、対応年数・保証期間・メンテナンス対応などは要確認です。
まとめ
キュービクルは、確かに初期費用の高い設備です。
しかし、それは“電気を使うための箱”ではなく、事業に電力という血液を安定的に送り込む心臓部。
そしてその費用には、以下の価値が含まれています。
- 電気代削減という「見えるコスト削減」
- 安定供給による「機会損失の防止」
- 設備拡張の自由度という「経営戦略の余白」
導入の可否は、色々な側面から検討するのが良いでしょう。