太陽光つけたいんだけど、キュービクル関係ある？
脱炭素の流れを受けて、太陽光発電を導入する企業や店舗が増えています。しかし「うちって高圧受電だけど、太陽光って載せられるの？」「キュービクルと関係あるの？」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。太陽光設備とキュービクルの関係、接続の注意点、設計のポイントについて解説します。
太陽光とキュービクルの基本的な関係
太陽光パネルで発電した電気を建物に供給するには、電力を施設の電源系統に接続する必要があります。
高圧受電の施設の場合、この接続ポイントとなるのがキュービクル（高圧受電設備）です。
- キュービクルは電力会社からの受電と、施設内への配電の“要”となる装置
- 太陽光の発電電力も、このキュービクルに連携する形で接続される
- つまり、キュービクルが太陽光との“接続ハブ”になるわけです
逆潮流とは？キュービクルの改造が必要な理由
太陽光設備が発電した電力が、自社での消費量を上回る場合、その余剰電力は電力会社に「売電」されます。これを逆潮流（逆流）と呼びます。
しかし、逆潮流を許可するには、以下のような対応が必要です：
- キュービクル内の保護継電器の設定変更
- 電力会社との連系協議・技術審査
- 電力用メーターの交換（双方向計測）
- 場合によってはキュービクル自体の改造または増設
特に古いキュービクルでは、逆潮流に対応していない機種も多く、設置時の仕様確認が非常に重要です。
高圧施設に太陽光を載せるメリットと注意点
【メリット】
- 昼間の電力コストを削減できる（特に空調・照明の多い施設）
- 売電による収益化が可能（FIT・FIP制度）
- 脱炭素・ESG投資の文脈で企業価値向上につながる
【注意点】
- 高圧受電のため、連系協議・電気主任技術者の関与が必要
- 自家消費型or全量売電型によって設備設計が大きく異なる
- パワーコンディショナや受変電盤との“系統設計”が複雑化
【実際の導入フローと必要な調整】
高圧施設に太陽光を導入するには、次のようなステップを踏みます。
- 電力使用状況と屋根面積の調査
- 太陽光の設置容量と運用方針の決定（自家消費 or 売電）
- キュービクルの構造と容量確認（逆潮流対応可否）
- 電力会社との系統連系協議（2ヶ月程度）
- 設計・施工・系統接続（4〜6ヶ月）
このうち、ステップ3が最重要ポイントです。キュービクルが古かったり、容量ギリギリで稼働している場合は、太陽光接続のための更新工事が必要となる可能性があります。
電気代削減＋脱炭素には“太陽光＋高圧”のセットが有効
高圧受電施設は元々電力単価が安く抑えられており、ここに自家消費型太陽光を組み合わせることで、
- 電力会社からの購入量を減らす
- 再エネ比率を高める
- 企業ブランディングに活用する
といった複数の利点を享受できます。
さらに、昨今では「太陽光設備＋キュービクル改修工事＋補助金申請」までワンストップで請け負う業者も増えており、導入のハードルは年々下がっています。
まとめ
太陽光発電とキュービクルは、切っても切れない関係です。特に高圧受電施設では、キュービクルが“電力接続の司令塔”として太陽光設備との連携の要になります。
太陽光導入を検討する際は、キュービクルの構造・年式・容量を必ず確認し、必要であれば専門業者に“接続可否診断”を依頼しましょう。
導入には多少のハードルがありますが、それを乗り越えれば大幅な電気代削減と持続可能なエネルギー利用が実現できます。
キュービクルの設置に迷ったらまずは当社にお問い合わせください！
