第32回 電気にまつわるエトセトラ「電気業界のニュース3」

キュービクル回避の担当、丸山です。(国家資格:第二種電気工事士)
こちらでは、「電気」に関係するお役立ち情報を伝えていきたいと思います!

今回は「原子力発電のゴミ クリアランス制度」についてお伝えします。
原子力発電のゴミとは、原子力発電所で使い終わった使用済燃料から再利用できるウランやプルトニウムを回収すると、核分裂生成物を含む放射能レベルの高い廃液が残ります。この廃液は、溶かしたガラスと混ぜ合わせてガラス固化体にします。これを高レベル放射能廃棄物といいます。
このゴミ問題は世界の課題でもあります。

原子力発電の「ゴミ」はどうなるの?

原子力発電所からは様々な「ゴミ」、つまり廃棄物がでます。
一基の原子炉を廃炉にすると、周辺設備や建屋から約54万トンの廃棄物が発生すると推定されます。
そのうち、「人の健康に対する影響を無視できるレベル」と見なされたものの中には、一般の産業廃棄物と同じように扱われ、リサイクルされ役立てられているものもあります。
それは「クリアランス物」と呼ばれ、放射線から受ける放射線量の100分の1以下に相当し、一般の産業廃棄物と同じ扱いができます。

どのように再利用されているの?

例えば中部電力はクリアランス金属を再利用して中部電力浜岡原子力発電所の敷地内にある道路の側溝に利用しています。
福井県では、クリアランス金属を県内の加工事業者が溶融・加工して、再利用製品を製造しました。
この実証では、製品や製造に使用した設備、工場の周辺に放射能の影響がないことが確認できていて、公共施設で使用されています。
敦賀工業高等学校と福井南高等学校では、生徒たちが金属のリサイクルやクリアランス制度について学び、クリアランス物でつくる照明灯のデザインなどに取り組みました。

今後そのような事例は増えるの?

2020年代半ば以降、原子炉などの解体が本格化していく見通しです。
クリアランス対象物は現状で年間1,000トンほど発生しています。約10年後には10倍ほど発生する見通しです。
2021年度から有識者による検討委員会が開催されました。
また、2022年度は、その内容を踏まえて、クリアランス金属の使い方、利用先についての検討が行われました。

お読みいただきありがとうございました!

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